2015年6月22日

「英文読解力強化セミナー~誤読をなくし、誤訳を防ぐ~」セミナーに参加してきました

先週末、翻訳学校のサンフレアさんで開催された「英文読解力強化セミナー~誤読をなくし、誤訳を防ぐ~」(4時間、単発)に参加してきました。講師は翻訳フォーラムでもおなじみの深井 裕美子先生。
 
4時間の講義のうち、前半は調べ物、後半は英文の構造が主なテーマ。より細かく見た後は、すこし引いて英文を読んでみましょう、という内容で、先生の鋭い質問に我々がワタワタと答えて講義が進行していきます。この先生の質問に「ワタワタする」というのが最大の胆だったように思います。出席された方、いかがでしたか?人から言われた注意よりも、自分で気づいたことの方が発展性があるというか、次への気づきが誘発されるというか。4時間の講義のために2つの課題を訳して臨んだのですが、1つめの課題文で先生の質問に答えながら、「やばい、これって課題2のあれはダメだったということじゃん」と気づいたりして、心が散り散りに。先生の質問はもちろん私個人に向けられるものばかりではなくて、教室の誰かに向けたものでもあるんですが、それでも冷や汗は流れるわけで・・・。

具体的に勉強になった内容を挙げるときりがないのですが、一番の収穫を挙げると、自分が陥りやすい罠がはっきりしたことだと思います。英文にぐっと寄って、書かれた人物や背景などを丹念に調べることはもちろん大事です。というか、調べないとわからないことが多すぎて(それはそれで反省すべきですが)、自分の仕事が成立しないという面もあります。私は調べ物をたくさんし、その背景等様々なことがわかってから英文に戻ってくると、すごく近視的に寄りすぎてしまって、出す訳が「まとめ訳」みたいになりがちなんですよね。調べた成果が並んでしまうというか。調べた内容は「調べ物」として頭の中心から少し距離をおいておかないと、中心にくるべき原文から離れてしまって、忠実な訳にならなくなってしまうことが多い。英文を読んで頭に浮かぶイメージに「私の調べ物」バイアスが出てしまうことに注意しようと思いました。

別の言い方をすれば、調べた内容の取捨選択も大事ということかもしれません。調べたものを自分の中で取捨選択して、この情報は生かそう、これは必要ないと判断することも翻訳のテクニックとして必要だなと思いました。「まとめ訳」みたいになってしまうのは、だいたい自分が調べた内容を全部入れようとしちゃうからなのかもしれないなと。そのあたりのコツも講義でわかってきたので、今後に活用できそうです。

後半の英文を構造を意識して読む、というのはちょうど自分でも意識していた点なので、「おぉ、やっぱりそれでいいのか!」と嬉しくなりました。去年お引き受けしたライティングの仕事のからみでパラグラフライティングをおさらいしたおかげだったんですが、改めてあの仕事(大変だったけど)やってよかった・・・と思いました。きっと医薬やバイオ系などの論文を訳される方はおなじみだと思うのですが、センテンス毎にどんな役割があるのかを意識して読む、少し引いて上から俯瞰する気持で英文を読むと違うよ、という内容をお話いただきました。自習の参考書のご紹介もあって、今後に繋がる内容でした。

私の次の課題としては、論文のように構造がわかりやすいもの以外でも、きちんと原文を俯瞰して読むようにすること。そして構造がわかったとして、それをどう日本語に落としていくのか。英文の持っている流れ、役割(主題なのか詳細なのか例示なのかとか)を感じられる日本語にどうやってしていくのか・・・。「まとめ訳」と合わせて克服していきたいです。ひとつのセミナーを受講すると、複数の課題が見つかるのは嬉しいような悲しいような(いや、やっぱり嬉しいんですが)。修行の道は続きます。

最後にあらためまして深井先生に4時間にもわたる素晴らしい講義の御礼を申し上げます。講義終了直後には整理できていない部分も多くて、すぐにきちんと感想を申し上げられなかったのですが、こうして書いてみると、自分の欠点を把握し、気づきをいただいたことで次の課題が見えてくるという深い講義をいただいたんだなと改めて思いました。どうもありがとうございました。

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