2013年6月4日

薬事法等制度改正の法案が国会に提出されました

いきなり固いタイトルですが、
医薬翻訳にも大きなインパクトがある法改正かなと思うので、まとめを。

最近、医療機器に関連する文書のお仕事を多くいただいているのですが、
クライアントさんからご紹介いただいて、
医療機器レギュラトリーサイエンス研究会主催の研究会に参加しました。
 
レギュラトリーサイエンスとは、
医療機器を「実用化と普及のために必要となる、有効性と安全性と品質を評価するための科学的手法」と定義されています(『医療機器レギュラトリーサイエンスガイドブック』より)
狭義の意味では、医療機器の承認/認証を科学的に評価するための考え方と言えるでしょうか。

こちらの研究会に参加されているのは企業の薬事部やCROの方などが多いような印象で、
広い会議室にかなりたくさん集まっていました。
会場はグレー・紺のスーツの方ばかり・・・。
そんな中、サーモンピンクのシャツに白いスカートで行った私は浮きまくりでした・・・
服装に気をつけよう・・・

さて、研究会ですが、3名の発表者が立ち、
レギュラトリーサイエンスの立場から医療機器の現状をまとめた発表、
関節軟骨再生医療のガイドラインについての発表、
そして承認申請を前提にした医療機器開発をエンジニア、医師、企業、規正当局の立場でまとめた発表がありました。

今回のこの研究会が開催された背景には薬事法制度の改正があり、
医薬系翻訳者にも大きな影響を及ぼすだろうと思いますので
既出の情報を整理してみましょう。

実は、今まで提出された法案って見たことがなかったので
興味半分にググってみたら、ちゃんと全文が公開されているんですね。(それぞれテキストリンク先です)

ですが、これだと何がなんだかわからないので、
厚労省が概要や変更点をまとめた表を作成・発表しています。

こちらのリンク先の下の方にあります。
薬事法等の一部を改正する法律案(平成25年5月24日提出) 
再生医療等の安全性の確保等に関する法律案(平成25年5月24日提出) 

今回のこの2つの法案の肝は以下の4点かと。
1)添付文書届出義務、市販調査の充実など安全対策の強化
2)医療機器を医薬品のおまけではなく、その特性を踏まえた制度の創設
3)再生医療等に関する整備→実用化の促進
4)薬事法の名前が変わる!→「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

詳細は、以下の資料が参考になると思います。



翻訳者として、業務に関係してきそうなのは、
1)と3)が大きいかなぁと思います。

1)による影響(勝手な予測)
海外製造元の安全性に関する調査や報告書の翻訳業務
添付文書改訂に伴う英訳?(あまり熱心に進められていないですが)
日本で行った市販後調査報告書の英訳
が増える?

3)による影響(同上)
再生医療に関する規制が整備されることで、市場に製品が入りやすくなるため、
申請関連、販売ツール関連、それこそ添付文書の翻訳などが増加する?
海外の事例(論文や報告書)についての翻訳
が増える?

医療機器に携わるものとしては、
2)も大きなインパクトがありそうです。
今まで医療機器とみなされていなかったソフトウエアも対象となることから
マニュアルの翻訳も増えていきそうですね。

私個人としては、
2)の制度創設はきっちり抑えなければいけないことの他に
再生医療に関する知識がまるっきり薄いので、
仕事が来るかどうかはわかりませんが、
事前に情報収集と勉強を進めておこうかなと思います。
これからのトレンドになることは間違いないと思いますし。

薬事法の改正については、
講習会等、これから盛んになっていくのではないかと思いますので
また機会があれば、グレーのおじさんたちに混じって勉強してきたいなと思います。