2013年4月6日

15/30冊『ゲーム理論の思考法』川西 諭著 読了

しばらく更新が滞っておりました。
ゲーム理論の本をさっそく1冊読んでみました。

Kindleで読める、入門的な書籍ということで、
以下をチョイス。


★本書の概要

まず序章で、
ゲーム理論を学ぶ目的は、
1.状況を俯瞰的に「把握」する
2.起こりうる未来を「予測」する
3.問題を「解決」する
この3つの能力を取得することであると筆者は定義しています。

その定義のもとで、日頃の生活、特に経済活動をゲーム理論で切り取り、
好況・不況が長引く理由、テレビ番組がどれも似通っている理由など
身近な例を引き、ゲーム理論の基本概念を使って解説していきます。

代表的なゲーム理論の概念として、
囚人のジレンマを例にナッシュ均衡を解説。
またファッション界の流行色のしくみを例に挙げ、
参加するプレイヤー(洋服メーカー、デザイナー等)が
「流行色」を決めて同調する(コーディネーション)ことで、
お互いの利益を得るコーディネーションというゲーム概念を解説しています。

その他にも多くのゲーム構造を例を引きながら解説し、
利害関係の多様性を示しつつゲーム理論の懐の深さを示しています。
自分でもチャートを見ながら練習もできて、
ゲーム理論を少し体験できるようになっています。 

これ1冊を読んだだけで、ゲーム理論を使って
難事をすぐさま解決!ということにはなりませんが、
どの解説もすごくわかりやすく、
ゲーム理論というフィルターを通して世の中を見ると、
こんなしくみになっているのかと気づかされるには十分の内容だと思います。

★ゲーム理論の具体例
ゲーム理論の代表例として、「上司に会社の待遇改善を申し出る」
というモデルケースが解説されていました。
詳細は本書に譲るとして、
これを「エージェントにレートUPを申し出る」に置き換えて
ゲーム理論のイメージをざっくり記してみたいと思います。

ここで、仮に私がエージェントと契約した現状のレートが不満で、
エージェントとレートアップの交渉をすべきか、このまま我慢するか、迷っているとします。

最終的な目的は、交渉or我慢のどちらを選択すべきか判断できるようになること。
ゲーム理論に則って、論理的にこの問題(ゲーム)を考えてみましょう。

まず最初に、両者の事情を平等に考慮し、ゲームを俯瞰すること。
俯瞰する目を持つことがゲームを理解する=勝利に繋がります!

自分の事情(レート上げにて欲しい)だけを考えていては、
ゲーム全体の構造を理解できないですので、
相手(エージェント)の選択肢には何があるか書き出してみます。
もちろん、交渉に応じてレートを上げることがひとつ。
もう一つは拒否してもう私には一切の仕事を依頼しないこと(きゃー)。

この2つの選択肢を検証してみて、
エージェントが応じると理論的に考えられれば、私は自信を持って交渉できますし、
拒否されるとわかれば、待遇改善の方法を他に考えたりできます。
例えば、定期案件を引き受けるが、全体的な受注量を減らし、
空いた時間に他の会社のトライアルを受けようといった判断も合理的にできるかもしれません。
(結果、売上が上がれば、私はハッピーですよね)

相手が取るであろう選択肢がわかれば、
交渉or我慢だけに限らず、
自分にとってベストな行動は何かわかるようになる=解決策が見つかることになります。

ゲーム理論の基本的な考え方は、
プレイヤーが誰なのか、
そしてどんなルール(枠組み)の中で
プレイされているのかを俯瞰することが重要とされています。

俯瞰した上で、もし自分が勝てないと分かったならば、
ルールを変えることを考えればいいわけです。

エージェントの例を見てみましょう。
エージェントの中での自分の置かれた立場を考えて、
例えば「他の人にもアサインできる仕事しか引きうけていない」ということがわかったとします。
これでは、おそらく交渉しても拒否されますよね。
このゲームを支配しているルールでは勝てないわけです。

そこで、このルールを変えていくことを考えます。
例えば、他の人にはアサインできない、自分にしかできない分野を見つけ、腕を磨くことで、
「あの人にしか頼めない」と思われるプレイヤーとなる、とか
翻訳プラスアルファのサービスを提供することで、自分に付加価値を付けるとか。
ただ気をつける点は、一方的にルールを変えても効力はないので、
相手も従わざるを得ないようなルールを考えねばなりませんね。
ゲーム全体をとらえれば、ルールをどう変えればいいのか見えてくるはずです。

このあたりは、先日マイクさんに教えていただいた
交渉の基本「★レート交渉は、タイミングにかかっている!」に通じる内容と思います。

★行動経済学へ
本書では、4章を使ってゲーム理論の基本的概念を解説した後、
最後の5章では行動経済学を扱っています。
ゲーム理論は、「自分の利益だけをプレイヤーが考える」という前提に立っています。
ところが実際には、この前提だけでは説明できないことがたくさんあります。
なぜ人は合理的ではない行動をとるのか。
オークションやバブルのしくみを例に行動経済学の入り口を解説しています。

・・・・
今回の記事は、本書の内容への感想というよりも、
ゲーム理論って身近で面白いのね、という私の気づきばかりになってしまいました。
本書のおかげで、もう少し専門的な本を読めば
もっと合理的に自分の問題を解決できるスキルが身につきそうだな、
という手応えを得たのは大きかったです。

次は行動経済学の本(=積読)をいよいよ着手してみようかなと思います。

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