2013年2月17日

JATPHARMA ワークショップ 「読み手を意識したライティング」に参加してきました

2月16日(土)、渋谷で行われました

(宣伝ですよ~)
JATPHARMAは、日本翻訳者協会(JAT)の中の医薬翻訳者向けのグループで
今回のような勉強会/セミナー/ワークショップを実施したり、メーリングリストを運用しています。
JAT会員であればJATPHARMAグループメーリングリストは誰でも参加できますので
よろしければぜひ。
(宣伝ここまで)

さて本題です。
このワークショップは、読者を意識したライティング(Writing for the Reader)というテーマで行われ、
前半が先日ご紹介した書籍『トム・ラングの医学論文「執筆・出版・発表」実践ガイド』の著者である
トム・ラング氏と、
医薬翻訳・校閲に特化した会社を設立されているリー・シーマン氏のお二人の講演(各30分)、
後半が実際に問題を解くワークショップという構成でした。
講演も進行も全て英語で行われました。 

ご参考まで。書籍はこちら。

★トム・ラング氏
日本滞在中も精力的に活動されていたラング氏。
少しお疲れが見えましたが、お話はとても実践的で今からすぐ使えるノウハウでした。
メディカルライター、編集者として35年の実績があり、教育指導にも熱心に取り組まれています。

今回の講演は、ラング氏が「英語を教えるのはこの2点だけ」と
おっしゃる動詞の名詞化と受動態についてでした。

1)動詞の名詞化(Nominalizations)を避ける

詳細はぜひラング氏の著書をお読みいただきたいのですが、
動詞を名詞化してしまうと、他の動詞(make, use, performなど)を追加することになり、
この追加された動詞は多くの場合、元の動詞よりも弱く、文も長くなり、読みにくい文となる。

この名詞化された動詞を文の意味を変えずに、動詞に戻すという練習を後半のワークショップで行いました。

1例だけあげますと、
This author gives an analysis of the problem and offers a solution.
→名詞化を避けると・・・
The author analyzes the problem and solves it.

こういった感じの問題をたくさんやりました。

2)受動態を避ける
お話でへぇ~と思ったのが
データで受動態が能動態より意味の伝達力が低いと示されたことはないし、
何がなんでも受動態を使わないという意味ではない。
ただ、動詞の名詞化と受動態がセットになると、
理解が落ちることが問題であると指摘。

そして意味上の主語(subject of the thought)を踏まえて
受動態の方が適切な場合もあるとおっしゃっていました。

私も過去に「受動態は使わない」ということを
どこかの書籍で読んだ気がするのですが、
明確に使った方がいい場合(意味上の主語)を指摘してもらって
判断しやすくなるなと思いました。

★シーマン氏
同様のテーマでシーマン氏が続けて講演しました。
英語の書き方そのものについての話の前に、
その前提として、「読者像」についてお話がありました。

まず読者は、英語ネイティブより非ネイティブの方が多数であると。
これは英語を母国語として使う人よりも
仕事等ツールとして使う人の数が多いといため、ということでした。

そして実際に私達が訳した英語を読むのは英語の先生ではなく、
お医者さんや研究者、申請書や論文の審査者であって
とにかく明確で精度の高い情報を早く理解したいと思っていると。

そのために必要なのは、
1文を短くし、並列構造(Parallel structure)で書くこと。

並列構造とは、
一つの主語に対し、複数の動詞をandでつなぐような構造で、
箇条書きに展開できる場合も多い。

実際に日本語から訳された英語で、
並列構造ではない文と並列構造の文とを比べると、
確かに並列構造の方が読みやすいことがわかりました。

そして、たとえば、レジメンを示したような文書であれば、
書かれた通りに投与すれば間違い(投与ミス)が起こりづらいだろうと思える英文でした。

★ワークショップ
受付時に申し出をすれば、
「初心者グループ(トニーさんのサポート付)」に入れるハズだったのですが、
到着が遅くて入れず。

ランダムに3名1組でチームを組んで、課題に取り組みました。

私はネイティブの男性2名がチームメイト。
ちょっと誤解を生みそうなので、書き方が難しいのですが、
ネイティブの方と組んだのはよかったなと思いました。

だって、私と同じように「えっとこれは・・・」と考えないといけないんだもん!

てっきりネイティブの人は英文を見た瞬間に、
「この単語が名詞化されてるから、これを動詞に変えて。
意味上の主語はこれだから前にもってきて、ハイ、これでよし」っていう過程を
2秒ぐらいでやるもんだと思ったんですよ。

でも、ラング氏が「書き方」の本を書く必要があったように、
ネイティブの人も訓練しないといけない、という意味では
日本人と同じなんだなーって。

もちろん、コツを習得するのは私よりも断然早くて、
ワークショップの後半では、
「これ違うよ、ここが名詞化してるんだから・・・」と完全に教えてもらう立場でしたが(笑)。

ネイティブ二人がディスカッションして答えを出して先に進もうとしても、
私が「うぅ、わかんなくなった」って言うと、
「ここがさ、こうだから、、、」と説明してくれましたし、とても親切。

逆に私が異を唱えても、一緒に考える姿勢があって
「あーネイティブの人はこういう学習スタイルになれてるんだなー」って思いました。

日本人同士だと、誰かが違う意見を出すと、妙に遠慮してしまって、
「あ、そうですね、じゃそっちにしましょう」みたいな空気が生まれるんですが、
そういうことがないんだっていうのもひとつの勉強でした。

こういう機会に自分の意見の出し方や、相手の意見の受け入れ方、
議論の仕方みたいなのがちょっとですが練習できてよかったなと思いました。
(行ければ、ですけど)

大学で留学経験のある方なんかは、こういうの慣れてるんでしょうねー。
私も今さらながら追っかけますよ、JATのセミナーで(笑)

以上
内容にはあまり踏み込めませんでしたがセミナーレポートでした。
今月はあともう一つ勉強会セミナーに出席予定なので、
またそちらも報告できればと思います! 

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