2013年2月25日

「メディカルライティング入門」を受講しました

現在、英訳を受講中の学校に
特別講義として「メディカルライティング入門」という講座があったので、
受講してきました。

実はこの講座の受講という背景がありました。
無事に2回の講義が終わりましたので、その感想など。

講師は現役のシニアメディカル・ライター。

と書いてますが、受講前の私は、「メディカル・ライター」が何を対象に、
どういうものを書く人たちなのか、ということもよくわかっていない状態でした。

先生からは、授業の最初の頃に
「私達はライターと呼ばれていますが、実質的にはコミュニケーターの側面が強い。
欧米ではバイオメディカル・コミュニケータ(biomedical communicator)と言われるようになっています」という説明がありました。

先日のまとめ記事で調べた範囲だと、
書き手と読者をつなぐから「コミュニケータ」みたいなイメージだったのですが、
受講を終えてみると、実はもっと広い範囲の様々な立場の人を結ぶ、
重要な役割を担っていることがわかりました。

まず試験を行う研究者がいて、データを集める。
そのデータを解析する解析家がいて、
解析されたデータをライターが文字におこす。
実際には、もっと複雑な役割分担の中で多くの人をつなぎながら
一つの論文や報告書を完成させるのかと思うと、
お互いの意見を一定のお約束の中(論理的に)交換し、
効率よく共同作業を進める必要がありますね。
 
そのためにはただ「書く」能力だけでなく
どの立場の人も論理的に腑に落ちる形ですんなりと説得できるコミュニケーション能力が
やはり求められるのでしょうね。
ゆえにバイオメディカル・コミュニケーターという名称が定着しつつあるのだと思います。

世界の一流紙でアクセプトされる論文執筆やスムーズな新薬等の申請業務のためにも
日本でももっとこのバイオメディカル・コミュニケーターという仕事が認知されてもいいのになぁと思います。

ちなみに、この分野の先進国、アメリカではどのような状況なのか。
2月のMITAトークで行われたトム・ラング氏の講演を聴講した翻訳者さん(梅子さん@Kitashiraume、他みなさんありがとうございます)に聞いてみたところ、
ラング氏の見解では、
メディカルライティング/メディカルライターの地位は確立の途上にあり、
サービスや職業として知られていないことが多く、また、知っているとしても誤解されている場合が多い。
すなわち認知度が十分でないそうです。
専門的に勉強できるコースや教材が非常に少ないというお話もあったそうで、
アメリカでもまだまだ発展途上と言えそうですね。

話が少し脱線してしまいましたね。
受講した講座にもどります。

授業は翻訳者が普段目にする文書でも応用できる情報・テクニックをたくさんいただき、
課題図書も山ほど積み上がりました。
お写真をお見せできないのが残念ですが、分厚い本が多いのでリアルに山ですよ、山。

翻訳対象となっている原稿を論理的に読み解き、その論理が破綻しないように日本語(英語)にする。
解析結果を論理的に読み解き、そのメッセージが破綻しないように日本語(英語)にする。
いずれも想定される読者層はかぶりますし、読みやすく、頭に「?」が浮かばない文書を目指す点も共通ですね。

わずか2回の授業でしたが、
専門的な知識を効率よくインプットできただけでなく、
これからは翻訳もメディカル・ライティングもクロスオーバーさせながら
勉強を続けていくのが良さそうだという手応えも得ることができ、
とても有意義な講座だったと思います。

この講座は「入門」ということでしたので、
これからさらに実践的な講座の開講も期待しています。
(と、先生にラブコールを送ってみました笑)


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