2013年2月14日

映像翻訳セミナー「映像の向こう側とこちら側」に参加してきました

昨日、映像翻訳セミナー「映像の向こう側とこちら側」に参加してきました。

映像翻訳者未経験者を対象にしたセミナーで、
字幕体験ができる!と聞いて、随分前から楽しみにしていました。

最近でこそなかなか映画を見る時間がないのですが、
私は中学生時代からソロで映画館に通ったり、
レンタルビデオ屋さんに日参するような映画少女。
「映画の字幕付ける人とか、かっこいいなー♡」などとあこがれた少女時代でした。
(この後セミナーで、「映像翻訳者を目指さなくて正解!」ということに気づくのですが (^_^;)

今回のワークショップでは、字幕の対象となる映画を撮影された監督も同席してくださり、
映像を作る向こう側と字幕を作るこちら側がいっしょに時間を過ごす、
というユニークなスタイルでした。

監督はJohn Daschbach氏。ショートフィルムのコンペで受賞歴もある監督さんで、
今回は素材としてWaking DreamとBrief Reunionの2作品を提供。
日本に2年ぐらいお住まいだとかで、とても穏やかで笑顔の優しい方でした。

すでにWaking Dreamは日本語字幕付きでこちらにあがっています。
映像翻訳者ではない翻訳者が字幕をつけたそうで、
長いし、ちょっと読みにくい・・・。
じゃあこれを自分たちでつけてみましょう!ということになりました。

講師は映像翻訳者の仙野陽子さん。
(チョコさん@choco324というハンドルネームでSNS界で知らない方はいらっしゃらないですよね!)
代表作はCSI : ニューヨーク、Homelandなど。
CSI:NYは個人的に大好きで全シーズン見ているのですが、
あんな科学的にややこしー話を、字幕としてまとめているのが
こんな可憐でいいのか・・・と思ってしまう麗しの女性です。

仙野先生が、映像翻訳の基本的なルールを解説してくださったのですが、
やっぱり素人を苦しめるのは1秒3文字 4文字の制約。(※2/26修正しました)
みんなで映像を繰り返しみながら、
あーでもない、これだと字数オーバーだし、
と頭をひねりました。

そしてできた訳を先生がチェックしてくれるのですが、
もう私とか「才能ないなー 翻訳者としてもうだめなんじゃ・・・」と感じるに十分なほど
何もできとらん!状態で、非常に恥ずかしかったです。
先生が悪いんじゃない、生徒がアホなんや!
と立ち上がって他の受講生にお詫びしていぐらいの有様でしたよ・・・。
(この日は脳内が完全に大阪弁)

映像翻訳では、特にスクリプトの言葉(単語レベル)、会話主のキャラ設定、会話の状況、
文脈、そして言葉を発している時間の長さ、シーン全体に流れる時間、
こういった使えるモノは全部利用することが大事なんですね。
その中で必要な情報だけを選択し、
厳しい字数制限の中で適格な言葉に集約させる。

私は目の前のスクリプトの文字ばかり追ってシーン全体が読みきれずに、
キャラクターが言葉を発している長さとか、
カメラの動きとか全然見てないので、
言葉だけがぽっつり浮いてしまって、
会話として流れていかない。

この流れる、という感覚は非常に大事だそうで、
仙野先生は、「作品を見終わった後に、字幕があったことすら気づかないほど
さーっと流れていく字幕がいい翻訳」と定義されていて、
やってみてなるほどなーと思いました。

セミナーの最後にDaschbach監督が感想として
「今まではなんで全部のセリフを拾ってくれないんだって不満を感じることもあったけど、
今日の話で、セリフから捨てる情報と残す情報を決める過程がよくわかった。
そしてこれからは字幕屋さんに依頼するときは、
(情報を取捨選択しやすいように)文脈を説明するコメントをたくさん残そうと思う」
といった話をされていました。

それに対し、講師の仙野先生も
「私達は(全部セリフを拾うって)字幕を読んでもらいたいわけではなくて、
映像を、作品を見てもらいたい。
そのために様々な工夫をしてるんですよ」と監督に答えていらっしゃいました。

まさに向こう側とこちら側がよりよいものを作っていこうとするって
こういうことなのかなーとお二人のやりとりに感動してしまいました。

このセミナーに参加して、
字幕を通して制作に関われる楽しさも堪能し、
かつ「セリフの骨子を抽出して、字幕に置き換える」ということが
そのまま翻訳のキホンなわけで、すごく勉強になりました。
そしてそのキホンが全然できていないし、
全体を俯瞰する目も足りないんだなぁと自分の弱点を改めて確認することができました。

分野が違うからと敬遠せずに、
何事もやってみると楽しいし、勉強になるなーということを痛感した1日でしたー。

講師の仙野さん、監督さん、ありがとうございました!

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