2013年12月31日

2013年もありがとうございました。

2013年も無事に暮れようとしています。
今年も多くの方のご縁に恵まれ、お世話になりっぱなしでした。
仕事の面ではお取引先が増えたり、取り扱い分野の幅も少し広げてみたり、なかなか活発に動いたかなと思います。

お仕事とは少し離れますが、JTFさん発行の翻訳ジャーナルに寄稿させていただいたり、JTF翻訳祭でパネリストとして参加させていただくという貴重な機会もいただきました。お仕事でも、お仕事から少し外れたところでも、今年は「挑戦の年」だったのかなと思います。

その一方で、たくさんの挑戦の中でムリをしすぎて、自分の実力のなさにコテンパンに凹むこともありましたし、家庭との両立などプライベートで悩む局面もありました。

そんな時に、愚痴を聞いてくれて、適切なアドバイスをしてくれる仲間にたくさん勇気づけられた年でもありました。「仲間」などと考えるのは100年早いよっていうような先輩の暖かい言葉に救われることも多くあり、感謝してもしきれません。

来年の目標をと半月ほど考えているのですが、英語力の強化を目標のひとつにしたいと思います。
もうひとつは自己管理。限られた時間の中で、効率よく動くこと、スケジュールの管理をしっかりやること、仕事量の見積もりの精度を上げることなども課題にしたいと思います。
そして今年の年初にこのBlogを始めたように、来年も新しいメディアに挑戦したいなと思っています。

そして・・・
もっとブログの更新頻度を上げます。来年はもう少しちゃんとした記事を書かないとなと。(やるやる詐欺になってる記事をいくつか積み残したまま大晦日になってしまいました。)
医薬のネタ以外にもアイディアがいくつかあるので、試していきたいと思っています。

今年一年、拙いブログにお付き合いいただきましてありがとうございました。来年も引き続き、もっと楽しい内容を多くご紹介していきたいなと思います。

もうすぐ紅白も始まりますねー。どうぞ楽しい大晦日を、そしてよいお年をお迎えくださいませ。

2014年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


2013年12月16日

JATPHARMAのセミナーがありました

先月ですが、11月30日(土)に初めて大阪に行き、JATPHRMA主催のセミナーのお手伝いをしてきました。実は新幹線に乗るのも8年ぶりぐらいで、座席に電気コンセントがついていて興奮してしまったり。

セミナーの参加者は55名。関西以外にも関東、九州からの参加者も多数いらっしゃり、東京ではお会いできなかった人にもたくさんご挨拶ができて、とても実り多いセミナーとなりました。

セミナーでは、「治験の国際化とCROの役割~環境変化に耐えうるプロの翻訳者に求められるもの~」というテーマで、国内 CROの大手、シミック株式会社より執行役員 コンサルティング事業本部本部長の棚瀬 敦様が講演されました。
途中で休憩は入りましたが3時間に渡って、とても準備された内容の濃い講演でした。まずは日本政府の成長戦略と医薬業界の現状について包括的なお話があり、アカデミアの存在意義が高まっていること、産官学連携、臨床開発、国際共同治験などの活発化に伴って翻訳業務が増加するとか。であれば私たち医薬翻訳の未来も明るいかしら?と期待が高まります。

また棚瀬様のお話から、シミック社では翻訳者をパートナーとして考えてくださっていることや、CROのライターもまた翻訳者と同じように〆切地獄にさらされていることなど、時に笑いを交えながら、CROの中の翻訳の位置づけについてとても具体的にお話いただきました。
一番印象に残ったのは、この産業の流れの中でCROが医薬品・医療機器を製品化の全ての業務をカバーできる唯一の存在となっているという点。もはや製薬会社よりも幅広いフィールドで力をつけ、製品化するためにはCROの協力がなくては成立しないとすら思えるほどの実力を持っているんだという点を改めて思い知らされました。また個人的には、いずれCROがどこかの翻訳会社を買収し、自社の一組織として取り込むこともあるのかもしれないなと感じました。
最後のQ&Aでは、棚瀬様より「ぜひ翻訳者から提案をして欲しい」という呼びかけをいただき、私も「CROとして個人の翻訳者やライターとのお取引は可能なものか?」という質問をさせていただきつつ自分を売り込みを(笑)。少数だが実績はあること、また今後はもっと考えていきたいという前向きなお返事をいただきました。

セミナー後はJATの関西支部主催の忘年会に遊びに行き、そこから神戸のホテルに1泊。その翌日は京都でもみじ狩りをしたり充実した週末となりました。

行くまでは遠いなーと思っていた大阪ですが、行ってしまえば意外と近いことがわかったので、来年は国内の温泉、じゃない、セミナーや勉強会めぐりをしたいなーと思ってしまいました。

2013年11月28日

【全体編】JTF翻訳祭:「SNS活用で翻訳をステップアップ!~SNSが結ぶ絆と知恵~」のまとめ!

11月27日(水)にJTF翻訳祭が開催され、私も一番最後のセッションに登壇して参りました。

JTF翻訳祭:トラック6セッション4 パネルディスカッション
「SNS活用で翻訳をステップアップ!~SNSが結ぶ絆と知恵~」


モデレーター:斎藤貴昭さん(@terrysito、テリーさん)
パネリスト:小林晋也さん( @SHINHAM3
            長尾龍介さん(@Garyou_Tensei


ここでは【全体編】ということで、
パネルディスカッションを通して感じたこと、伝えきれなかったこと、反省点などをまとめたいなと思います。自己紹介のところでお話したインフラ化については、別のブログ記事を書きますので、もう少しお時間ください。


★導入部分
会場のみなさんに挙手によってテリーさんのアンケートに答えていただきました。
フリー翻訳者と企業さんからいらしている方は半分ずつぐらい、
Twitter とFacebook(FB)の利用者はだいたい80%ぐらいという感じだったでしょうか。
思ったよりも仕事に利用している方が少なく、同業者との交流ツールという方が多いのかなという印象でした。

当日、本当はここで私の自己紹介をしなければならなかったのに、ゲリラ的にインフラ化の話しをしてしまったので、ここで
私の利用状況についてご紹介したいと思います。

FBとTwitter、このBlogと最近になってLinkedInの比率が高いです。
Tumblerも好きで流れてくるカオスを楽しんでいます。暇つぶしです。
Pinterestはプライベートに使っていて、趣味のクラフトアイディアをため込んでいます。

それとここでこそっと、ハンドアウトの訂正です。
Naverまとめ、昔は個性的なものが多くて好きだったんですけど、最近はお金の臭いが強くて楽しくなくなってる・・・ごめんなさい。Naverまとめは「オワコン」(もう面白くないコンテンツ)枠に入れてください(笑)。

★本編
SNSを使いはじめたきっかけなど、テリーさんや会場からの質問に答える形でお話しましたが、私以外のパネリストの方の発言についてはあえてまとめの対象にしません(緊張していたし、正しく記憶している自信がないので)。ここでは、私の発言内容の補足に注力したいと思います。

★Q1:SNSを使うことになったきっかけは?
会場では家族か友達に誘われて、Twitterをとお答えしたと思います。

でもSNSってよく考えたらTwitterだけではないので、改めて歴史を振り返りますと、最初のSNSメディアはブログでした。
前からHPみたいなのが作りたいなぁと思っていたのですが、HTMLのエディターも試したけど、めんどくさすぎて挫折。その後、ブログの存在を知り、飛びつきました。これがたぶん2006年か2007年ぐらいだったと思います。
最初は生活面でも仕事よりも育児の比重が高く、育児ブログを毎日更新していました。

2009年にTwitterを開始。
その前にMixiはやっていたと思うのですが、いずれのメディアも翻訳の仕事とはまったく無関係に始めて、楽しんでいました。

2011年の震災前に、神戸の猫先生(@mariko_rouge)を偶然フォローし、始めて面識のない方にリプライをしました。怒られたらヤダなとドキドキしてたんですが、とても親切にしていただことで、「これはいける!」と多くの翻訳者さんのフォローを開始しました。

相手がどんなにエライ人か、大先輩かよくわからない・・・というSNSの長所が功を奏し、ただ「この人は面白い」とか「この人のブログは勉強になる」という純粋(というか無謀な)気持ちだけでおそるおそるリプライしたり、コメントを付けてRTしたりしているうちに、多くの方と繋がることができました。

2012年からこのブログを開始。それまでも仕事用としていたBlogがあったのですが、内容を全面的に見直し、記事構成までしっかり考えて書くスタイルに変更しました。

★Q2:SNSを使う目的は?
特に目的なく、日常的にあたりまえに使ってます、といったお答えをしたと思います。

・・・もうちょっとセッションのテーマに寄った発言しろよ・・・と
自分で激しく突っ込みたいです。すみません。すみません。ここで補足を。

情報収集のためにTwitter使ってます、というようなSNSを利用する大きな目的は確かにないんです。

唯一、目的意識をもったメディアはこのブログだけです。
ここは明確に仕事のために記事を書くし、仕事に関連した内容しか書かないと決めています(このことをお話すればよかったんですよね、きっと)

井口さんが当日、以下のようにツイートされていましたが、目的はコレです。


自分でもがんばって情報出すから、みんなもちょうだい♡
みたいな下心がいっぱいです(笑)。

もう一つは、もっと更新頻度があがってコンテンツを増やさないとならないのですが、
私が仕事に対してどういう意識を持ち、どういう目的で、どんなことをやっているのかorやりたいのか、ということを示すショーケースのようになればいいなと思ってやっています。
長尾さんのおっしゃる「遺書」に近いかもしれませんね。

★Q3:SNSを使うようになってなにか変化はあったか
このセッションで一番衝撃を与えた一言は、長尾さんの「レート2割アップ!」でしょうね。完敗です(笑)。

マジで?マジで?という空気とともに、会場が一気にヒートアップ。
ちなみに長尾さん、私には「コタツで仕事して収入2倍」発言もしてます。
まさに天井知らずの勢いですわ~

一方で、私はブログで記事を書いた時に、みなさんの反応がモチベーションアップに繋がっている、というお話をしました。

でもですね、よく考えたら私もレート上がってます(笑)。
去年の翻訳祭で井口さん関根さんもお話されていましたが、
レートアップの秘技というか、交渉術みたいなものの多くはSNSを通じて教えていただいたなと思います。

★Q4:SNSを使うメリットは?
ここでちょっと私の発言に誤解が生じているみたい(Twitter調べ)ですので、ここからはちょっと声が大きくなります。

私はSNSとリアルとをほとんど等価、差や境界線がないと感じているので、例えばTwitterでやりとりがあったり、ブログの記事やFBの投稿を読んでいるだけでも、その人なりはずいぶんと分かるものだと思うのです。

実際に一度もお会いしたことないですが、ずっとツイートを楽しみに読んでいたり、もう会ったことがあるような錯覚を抱いてしまう方もいらっしゃいます。
そういった方たちと、リアルでお会いできるチャンスがあったら、
「ファンです♡」と申し添えるようにしている、という話をしたかったんです。

私のファンが多い、みたいな受け止め方をされている?ような気がしたので、真逆なので大慌てで訂正します(滝汗)。
話し方が悪かったですね。誤解を生むようなあいまいな感じでした。ごめんなさい。



パネルではここまで踏み込んだ話はしなかったのですが、SNSとリアルの境界線について少しお話を。

何かで読んだのですが、人間は初対面の時(リアルで)、人の外見で8割ぐらいの人間性を判断しちゃうものなんだそうです。(判断が正しいというわけではなくて、相手のことを「こういう人」と決めつけてしてしまう、という意味です)俗に言う「第一印象が全て」みたいな話しですね。

この点では、初めて140文字のツイートを読んだ時と初めて顔を合わせた時を比較すると、
圧倒的にリアルで顔を合わせる方がその人に対する印象や情報は深いものを得られると思います。
でも、ある一定期間、SNSの中で文章、コメント、何気ない一言を目にしていたらどうでしょうか?その人なり、考え方など、多くのことが伝わるような気がしませんか?

インフラ化の話し(後日)にも関係しますが、こうやってSNSを通じて相手の人間性みたいなものがわかってしまう一方で、自分のことも見られているんだということを意識することはあまりありませんよね。
だからといって、自分を「装う」みたいなことをしろと言っているわけではありません。
自分の素の部分がSNSというメディアを通して伝わるのであれば、それがプラスに作用するように心がければいいんだと思うんです。リアルでも態度が横柄な人は嫌われるし、悪口ばっかり言う人は疎まれますよね。リアルでもSNSでも同じことなのかなと思います(自戒もこめて)

★全体を通しての感想
会場にお集まりいただいた皆様、本当にありがとうございました。
これだけ「リアルとSNSは等価だ」みたいなことを言っているのに、やっぱり当日、壇上で実際に存じ上げている方のお顔がちらほら拝見できてすごくほっとしました。
そしてみなさんが笑ってくださったり、ご質問をいただけるというのがこんなに嬉しいことなんだーと壇上から知ることができてよかったです。

パネルディスカッションとしての質がどうだったのか...
正直に申し上げて私にはさっぱりわかりません。
もっと会場のみなさんと盛り上がれるような、誘導できるような発言ができればよかったのかなぁと、今だから思えるのですが、その場では無理でした...
でも、私はとても楽しかったです。準備期間に勉強したことも、みなさんのお顔を見ながらお話できたことも、終わってから飲んだビールも、すべてがよい経験でした。

この機会を与えてくださったテリーさんとJTFさん、そして盛り上げてくださった会場のみなさん、Twitterでツダりを楽しんでいらしたみなさんも、本当にありがとうございました。こうやって声をかけていただき、しかも多くの方に集まってきていただけるなんて、幸せだなーとしみじみ思っております。

次はがんばって「インフラ化」の記事を書く予定です。

2013年11月13日

JTF翻訳ジャーナル2013年11/12月号に寄稿しました

次は宣伝ですー。

先日、JTFさんの翻訳ジャーナル11/12月号に「そんな名詞は、捨てちゃえば?」という短いコラムを寄稿しました!

テリー斎藤さんがご担当の「翻訳のこだわり」をテーマにしている連載コーナーにお邪魔したのですが、ここは先輩方も多く寄稿されていて、翻訳者の熱い胸の内が綴られている私も大好きなコーナー。ここに自分の記事を載せてもらえるなんて感激です!

私なりの「翻訳のこだわり」から選んだテーマは、名詞化の排除について。
簡潔で明瞭な英語を書くライティングのコツである「名詞化を避けて強い動詞を使う」は、日本語でも通用するのでは?という記事です。

日本語も英語も「わかりやすい文」を書くコツというのは共通点がたくさんある!と感じたのが着眼点。今回は名詞化だけに話をしぼったのですが、他にも修飾語と被修飾語の関係や比較なんかも日英共通のコツがあるかなと思います。またいずれBlogの記事としてこのあたりも書いてみたいです。

もしよろしければご一読いただき、みなさんのご意見などいただければと思います(実はけっこうドキドキしています)。

またこの寄稿については、イテテな裏話もたくさんあるので、ラジオでこっそりと・・・と思っています。(テリーさん、諸々ごめんなさい<(_ _)>)

2013年11月12日

第73回AMWA年次集会(2013年)の感想など

2013年11月6日~9日まで、オハイオ州コロンバスで行われたAmerican Medical Writers Association (AMWA)の年次集会に行ってきました。
4日間の会期中、全米から、そして米国国外からも多くのライターが集う年に1度のお祭り的イベントで、
私は初参加でしたが、多彩な年齢層と専門の異なる多くの人と知り合いになれてとても有意義な時間を過ごすことができました。
ただいま帰りの飛行機の中ですが、この4日間のまとめ記事を・・・。
ここは基調講演などがあった宴会場みたいな部屋。後ろにExhibitorのブースがあって、
気軽に立ち寄れてよかったです。

★AMWAデータ★
会員数:約5000名

第73回年次集会参加者数:800名

参加者の国籍:シンガポール、インド、日本、中国などのアジア諸国、英国、オーストラリア、カナダからも。(他にもいたかもしれないんですが、直接お話したのはこんな感じでした)

Chapter:会員になると、住所によって自動的にChapterと呼ばれる地方会に割り当てられます。各Chapterにはリーダーがいて、質問に答えたり、オフ会を企画したりしているそうで、最近はWebベースの勉強会もあったりするみたいです。残念ながらアメリカ国外在住者はChapterに所属できないしくみなのですが、たまたま仲良くなったおじさんがミシガンChapterの方で、せっかくだからミシガンの夕食会においでよーと誘ってくれて、Chapter夕食会にお邪魔してきました(すごいフレンドリー!)これもご縁なので帰国したらミシガンChapterに入れてもらえるようにお願いしようかなと思っています。
それか、思い切って日本ChapterとかインターナショナルChapterとか自分で企画すればいいのかもしれないですね~。それも楽しそう(活動が全部オンラインにすればやれそうな気がするー)

★プログラムとそのしくみ★
この年次集会に参加するには、まずレジストレーションを行い($550)、その後この4日間に用意されているワークショップ($110)、オープンセッション(無料)、朝食会($25)、昼食会($25)など100近くあるプログラムから自由にスケジュールを自分で組み立て、事前登録します。

私は薬事Regulatory/Researchに関する認証プログラムを履修中なので、認証取得に必要なワークショップに参加して単位を取得することが主な目的でした。参加者の中には、オープンセッションと言われる無料セミナーだけを興味にあわせて選んでいる人もけっこういました。

私は全部で5個のワークショップ、朝食会と昼食会を2回づつ、夕食会1回、オープンセッションを2個履修しました。「5個もワークショップ受けるの?大変だね!」とアメリカ人もびっくりのタイトスケジュール。でも飛行機代もかかってるし、取れるモノは全部履修する!とか言ってると、こんなぎちぎちに・・・。
普段はコーヒーをあんまり飲まないんですが、会期中はずっとコーヒー片手に教室を移動していました。カフェインでアドレナリン誘発しないと・・って感じで。 

セミナー類の講師は会員が務めていることがほとんどだそうで、基本的にはボランティア。ただし、講師を務めるとレジストレーション費が少しだけ安くなるしくみがあるとか。ディスカウントが目的で教える人はいらっしゃらず、自分の知識や経験を他の会員と共有したいという気持ちでやっているそうです。自分も教えてもらったのでその恩を次の人に伝えたいからと答えている講師もいらっしゃいました。また実務的には、この年次集会で行ったワークショップの評価が高いと、自分の経歴にもよい印象を与えられるそうで、新しい仕事に繋がったりすることもあるとか。そんなことで積極的に講師役を引き受ける方が多いみたいです。毎年3月に来日してMITAやJATPHARMAでお話いただくトム・ラング先生もAMWAの優れた教師として表彰されたご経歴をお持ちです。 

★ボランティア★
ボランティがが多く活躍するAMWA。この年次集会も多くのボランティアに支えられてました。

参加した朝食会で「Medical Writerとして業界に入りたいならまずAMWAでボランティアをしなさい」と力説しているリーダーがいました。1年に1日だけ、レジストレーションの受付でもいいから何かやるのと何もやらない5000名のうちの一会員となるかでは業界での知名度が全然違うと。
実はカンファレンスに参加して雰囲気がよさそうだったらAMWAでもボランティアをやりたいなと思っていたので、このリーダーに朝食会後、私でもできそうなことに相談にのってもらったり。
 
★全体的な感想★
とにかくみなさんフレンドリー。この4日間で新しい知識の習得とネットワーキングを目標にいらしている方が多いので、とにかくよくしゃべる。
そして運営側も「新しい参加者に気遣いを。そして新しい参加者は積極的にネットワーキングを」と呼びかけていました。

私は他の学会などの参加経験がないので比較できないのですが、「AMWAはどの学会よりもみんなフレンドリーで、親切。今年は特にカジュアルな服装の人も多いので話しやすい」といっているアメリカ人の参加者もいました。

日本からの参加者はだいたい20名ぐらいだったような。多くは製薬会社勤務のメディカルライターさんと、翻訳会社さんが中心で、みなさん旧知の関係のようでした。そんな中、フリーで初参加の私にも気遣いをいただいてありがたかったです。

私は海外に出るのが8年ぶり、アメリカにはもう20年ぐらい来ていなかったので、いささか英語による会話力に不安があったのですが、この夏ぐらいから特訓(?)した成果と、フレンドリーな会員のサポートもあって、講義に参加したり、ランチミーティングなどで質問したり意見を述べる程度であれば困ることはあまりありませんでした。もちろん聞き損なったこともあるでしょうし、100%理解できているとは思ってませんが、この4日間を楽しく有意義に過ごせたという実感を得られたことにすごく満足しています。

来年はメンフィス、その翌年はテキサスのサン・アントニオでの開催が決まっているそうです。この1年がんばって稼いで、またメンフィスかサン・アントニオに参加できたらと思っています。

今週末のどこかでラジオをやるつもりなので、裏話的なことなどお話しようかなと思っています!

2013年11月7日

AMWAの第73回年次集会(2013年)に来ています!

春頃に参加を検討中としていましたが、家族を半ば強引に説得し、やってきました~

American Medical Writers Association annual conference 2013


改めて日程の詳細を記しますと、会期は11月6日~9日の4日間。場所はオハイオ州コロンバスのダウンタウンです。
日本からの直行便がないため、行きはワシントンDCで1泊し、帰りは早朝出発の便でデンバーを経由して成田に戻るプランです。

さて、肝心のプログラムですが、
4日間、フルに受講できるものはすべて受講する!という勢いで申し込みました。

★6日(水)★
12:00–7:00 PM Conference Registration and AMWA Information Desk Open

2:00–5:00 PM Workshop:4016 Writing the Final Report of a Clinical Trial 

4:30–5:30 PM New to AMWA Orientation

6:30–8:00 PM Welcome Reception in the Exhibit Hall (cash bar), Posters on
display (Regency Ballroom Foyer)

★7日(木)★
7:30–8:45 AM Roundtable Discussions with Breakfast:T-2 | All I Ever Wanted to Know About Beginning a Regulatory Writing Career I Learned at AMWA

9:00 AM–12:00 PM Workshop:4010 Regulatory Aspects of the Drug Development Process

12:15–1:30 PM Networking Lunch in the Exhibit Hall

1:30–3:00 PM Open Sessions:OS-23 | the west and the rest: working with
non-native english authors and readers in asia and eastern europe [writing/editing]

3:30–5:00 PM Keynote Session with Alvarez Award Address: Gregory D.
Curfman, MD, Executive Editor, New England Journal of Medicine

5:00–6:00 PM
NETWORKING RECEPTION in the Exhibit Hall (cash bar), Posters on
displa

★8日(金)★
7:30–9:00 AM Networking Breakfast with the exhibitors

9:00–12:00 AM 4004 Electronic Common Technical Document

12:15–1:30 PM Roundtable Discussions with Lunch: F-10 | freelance writing for the medical device industry

2:00–5:00 PM 4019 Clinical Study Report Writing: From Tables, Listings, and Graphs to Text

7:00–9:00 PM AMWA Sablack Awards Dinner

★9日(土)★
9:00–10:15 AM General Session: McGovern Award Address

10:30 AM–12:00 PM Open Sessions: OS-60 new safety and risk-Benefit reporting
guidance and a potential strategy to manage the increased workload [regulatory]

12:15–1:30 PM AMWA Annual Business Meeting Lunch and 2014 AMWA
Annual Conference Kick-off Celebration

12:15–1:30 PM Open Sessions: OS-66 | spending money wisely to increase your
freelance Business [freelance]

2:00–5:00 PM 4022 Writing Clinical Evaluation Reports for Medical Devices

以上!
コピペしただけでもすごい大変でした。
すでに初日は終了しちゃったのですが、日本からも翻訳者さんが複数名参加しているみたいで、何名かとはお名刺を交換しました。

今年は400名ぐらいの参加者数ということで、
プログラム数の割りには人数少ないんだなという印象です。

また参加したプログラムの感想などについてはおいおい書いていきたいなと思います。
とりあえずは現地から第一報です!


2013年10月5日

フリーになって3年が勝負は本当?

「フリーになって3年が勝負」とか、「スタートダッシュが大事」といったお話しを聞くことがあったのですが、なんとなくわかるような、わからないような感じでいました。

少し前になりますが高橋聡さんが講師をなさった単発の講座に参加したこと、ベテランさんが集う勉強会に出たこと、そして同じ時期に先輩の翻訳者さんに訳文をチェックしていただくという好機に恵まれて自分なりの答えが見つかったので、このブログでは珍しく、翻訳そのものについてざざっと書いてみたいなと思います(この時期はとても濃い翻訳体験ができて感激でした)。

講座、勉強会、訳文チェック、全て異なる先輩方のお世話になったのですが、技術的な面以上に強く印象に残ったのは、翻訳に取り組む姿勢でした。やっぱり一流の人は違うんだなと。

例えば、高橋さんの講座では、provideを例にして訳しにくい単語の訳し方のヒントをいただきました。確かにいつも訳語を迷う単語ですよね。
ここで勉強になったのは、「ここではこういう意味かなー」と毎回漠然と訳語を選んでいるのではなくて、徹底的に辞書にあたり、用例を調べ、その単語の中の規則性(普遍性)をとらえることから始めること。その上で訳語を分類し、系統で整理し、系統外も小さくまとめるケアの細かさ。

実際に講座で教えていただいた系統は、今までみたことがないような独自な分け方ではなく、過去の経験から私も自然と訳し分けていたものでした。ポイントは、それを「過去の経験でなんとなく」使い分けるのではなく、意識的に自分の頭で普遍性を考え、辞書にあたって手を動かしながら系統に分けようとすることです。場当たり的に訳を出していても、もしかしたら適訳にあたるかもしれません。でも同時にとんでもなく的外れな訳を出してしまうリスクも抱えるため、これでは安定した品質を提供することができません。きっと高橋さんが日々の業務の中で、「自分なりの戦術」として、このように辞書で調べ、系統分けをしてから訳語を選択する、というスタイルを確立されたのだと思います。

同じようなことを勉強会でも感じました。
原文を自宅で訳し、事前にそれぞれの訳文を集めてまとめたものを全員に配布し、当日に発表・検討するというスタイルで行われたため、この部分をAさんはこう訳している、でもBさんはこうだ・・・と違いが一目瞭然でそれを見比べるだけでも楽しいものでした。
私などは、「うーん、前後からしてここはこうでいいんじゃないかなぁ」ぐらいの無難な訳しか書けないのに、Aさんは「ここがこうだから、こうでしょう!」となるし、Bさんは「ここはXXで処理するときれいにまとまるんじゃないかな」と、それぞれ独自の見解をお持ちで、それをひとつずつ丁寧に説明されていくので、聞いているだけでも(本当はそれだけじゃダメなんですが)ものすごく勉強になりました。

今回は議論に積極的に参加できるほど成熟した訳文を持ち込めなかったことが悔やまれましたが、参加者が戦わせる論戦を聞いていると、みなさんが「翻訳に対する独自のアプローチ法が確立している」ことがはっきりとわかり、一流プロの凄みを肌で感じることができたのはとても刺激的で貴重な経験だったと思います。
翻訳の品質というのは、とかく訳文(アウトプット)でしかみられないものですが、
品質を担っているのはやっぱり訳している人、その人の翻訳の取り組みが全てなんだと肌で感じました。高品質な訳文は、品質の高い翻訳者から生まれるんだなと。

最後に訳文を見ていただいた時に感じたことを。
訳出した文章を見て、「これでお金を取れるかどうか」という視点を持つことの重要性を感じました。これはお金にうるさくなれ、ということではなく、表面をなぞっただけの訳文では誰もお金を払わないよ、ということです。

確かに誤訳ではない。日本語に誤りもない。でもそれ以上の付加価値は何か提供できるのかと常に考えること。読み手のこと、文書の用途、考えたらいくらでもありますよね。間違っていない、誤訳していないことが気になってしまってすごく妥当な「間違ってない」訳文を書きがち。でも本来求められているのは、それよりも一歩進んだ、内容を理解してなければ書けない文章だと。当たり前すぎることですが、原稿をいただいて訳にとりかかるときの気合いというか心構えが大きく変わった気がします。

さて、この3つの体験が頭の中で結びついた結論は、3年神話はある!です。

毎日の仕事の中で:
訳出する過程で自分の欠点を見つけ、それを克服できるか。
商品価値のある訳文を心がけられるか。
この2点を意識していかないと、継続的な成長は望めないのかなと思いました。

欠点や苦手な部分を毎回「しのぐ」ことでなんとか納品することを繰り返してはだめなのです。
訳しにくいなぁと思っているだけではなく、どうして訳せないのか、日本語の問題か、英語の読解なのか、背景知識が足らないのか。
日本語の問題であれば、何が弱いのか。係り受けなのか、流れの部分なのか。
考えればたくさんの選択肢が浮かんできます。

その中で、「これだ!」と原因を見つけ、仕事の中で意識的にその改善につとめる必要があると思いました。
苦手を苦手のままにしない。苦手をどうやって克服するのか。客観的に道を探ること。
ひとつのシステムとして解決へのアプローチを持てるかどうかにかかっているように思います。

このシステムを構築する試行錯誤に3年というのは割といい線なんじゃないかと思うのです。どうでしょうか、先輩?
もちろんシステムのバージョンアップも必要ですし、どんどん変化していくべきものと思うのですが、まずはシステムが必要だという意識がないと、「何を勉強していいのかわからない」という恐ろしい状況に陥るのではないかと思います。

そして商品価値を意識するのは改めてご説明する必要はないと思います。あらゆる種類の文書を訳しながら、背景知識を蓄積していき、その文書、その読み手に応じた訳を心がける習慣が身につくのにも一定の期間が必要ですよね。勉強会ではお客様には出せない思い切った訳を試してみて、客観的に批評してもらう、なんてことを繰り返すのも有功じゃないかと思います。

ちょっと脱線ですが、いわゆる恋愛における「3年目のジンクス」とも同じなのかもしれませんね。翻訳愛にあふれる3年間はいわゆる新婚中。そして愛はいつか冷める。だから冷めないような工夫が必要、ということなのかなと(笑)。みなさんはどう思われますか?


お知らせ

みなさんこんにちは。
新装開店のカンサンの医薬翻訳ノートにようこそ。
ライブドアブログからお引っ越ししてきました。
心機一転、新しいドメインでスタートします。
みなさまどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、この数ヶ月もの間、ブログを更新せずに何をしていたのか・・・といえば、
こちらの引越作業に手間取った・・というのがひとつ。
もうひとつは、所属する日本翻訳者協会(JAT)が主催する第25回 英日・日英翻訳国際会議 東京大会(IJET-25)の実行委員お手伝いをはじめたことがあります。

※IJET-25とは?

第25回 英日・日英翻訳国際会議 東京大会

日時:2014年6月21、22日
場所:東京ビッグサイト

2日間のマルチトラック形式のプログラムをご用意。分野もレベルも多様です。
世界中から翻訳・通訳者が集まり、情報交換やネットワーキングのチャンス!

JAT会員歴1年、過去のIJETの参加歴0の私ですが、何の因果かPRを担当しておりまして、日々チラシを作ったりしています。

来年6月、ビッグサイトでお会いしましょう!

もうひとつ宣伝!
医薬翻訳者のみなさん、11月30日は大阪へいらっしゃいませんか?


治験の国際化とCROの役割
~環境変化に耐えうるプロの翻訳者に求められるもの~

日本の臨床試験および国際共同治験においてCROが果たしている役割、課題、今後の環境変化に耐えうるプロの翻訳者に求められるものは何かについてお話を伺います。

講師:棚瀬 敦氏(シミック株式会社・執行役員 コンサルティング事業本部本部長)
日時:2013年11月30日(土)14:00~17:00 (開場 13:30)
会場:TKP大阪梅田ビジネスセンター

JATPHARMA(医薬翻訳者のための分科会)と共同主催。
多くの仲間とお話できる時間もご用意しています。
私も念願の大阪入りなので今からとても楽しみです!
11月に大阪でお会いしましょう!
(※せっかく顔写真もさらしているので、見つけたら声かけてくださいね~)

次は宣伝じゃなくて、ちゃんと記事を書きますね!

2013年7月5日

性暴力被害者への心理療法~コンゴの例~

※新しいURLに変更しましたが、記事は旧URLと同じものです。

少し前のNEJMの記事になりますが、コンゴ民主共和国における性暴力被害者に対する心理療法についての対照研究を取り上げ、性暴力とPTSDについて考えてみたいと思います。

1)NEJMより

性暴力を受けた被害者の多くが、うつ、不安および心的外傷後ストレス症候群(PTSD)を患うことは広く認知されています。
このような心身症状に対し、既に高所得国で効果が認められている認知処理療法が、低所得な紛争国でも同じように有効かを明らかにするため、コンゴ民主共和国において対照研究を実施しました。

NEJMの記事には、なぜこのコンゴ民主共和国(旧名ザイール)が今回の調査に選ばれたかについて明記はありませんでしたが、Wikipediaによると、女性に対する性暴力は紛争の中で日常化し、国連やジャーナリストの告発が続いている状況だそうです。

NEJMの論文でも、40%近い女性が性暴力の被害にあっているとの記載がありました(他のレポートを見ると、もっと多そうな印象すらありますが)。

さて、そんな状況下のコンゴ民主共和国から、安全に訪問できる16の村(後に1つが除外され15村となる)を選び、研究対象としました。

国際救援委員会(IRC)が主催の、ケースマネージメントの他、カウンセリング、家族調停、ストレス管理、
被害者の臨床ケア、HIVや他のSTD予防などに関する5~6日のトレーニングを受けた人を
社会心理学的な支援者としました。

15の村にこの社会心理学的支援者を1名づつ置き、言語などを元に2~4のブロックに分けて、認知処理療法または個別支援のいずれかの群に村を無作為に割り付けました。

被験者は、性暴力を受けたまたは目撃した女性とし、チェックリストを用いてうつやPTSDの評価を行い、日々の生活の困難さから機能障害を評価して、一定上のスコアを収めた顕著な症状が出ている女性を評価基準で適合としました。

個別支援群は、社会心理学的な支援の他に、経済的、医学的また法的な紹介などの支援を要求に合わせて受けました。
認知処理治療群は、性暴力被害者におけるうつ、不安及びPTSDの既存の治療プロトコルに基づいて治療し、
個人面談(1時間)、6~8名で構成される女性グループの11セッション(各2時間)を行い、セラピー以外でも必要と感じるときに社会心理学的な支援者と接触することができるようにしました(被験者が実際に受けたセッション数の平均は5回)。

2010年4月から7月まで介入し、治療終了後の1カ月時および6カ月時にフォローアップを行い、データを収集し、解析。

被験者のドロップアウト率が高いのが気になったのですが、その理由が間違った女性をインタビューしちゃった、とか、死亡してしまったとか、現地がいかに混乱しているのか垣間見た気がしますね。

しかし、混乱はあったものの、試験に参加した被験者は、いずれの群でも治療終了時、6カ月のフォローアップ時双方とも良好な結果を示しました。

以前の研究では、短期間の治療は現在もトラウマが進行している患者には有効でないとされていましたが、本研究では、介入期間中、複数の襲撃、闘争からの逃避、武装集団による強盗被害が全ての村で確認される、といった混乱した状況が続く中でも、EBMによる治療に効果があったことを示しています。

症状の程度のベースラインが群間で不統一だったり、症状の測定方法の妥当性が未知のものであったなどの研究上の限界はありますが、低所得の紛争国でこの医療介入に効果があったことが本研究で明らかになり、適切な訓練と監視があれば、認知処理治療などの精神治療が精神衛生のプロがほとんどいない現場でも有効である可能性を認めたと言えますね。

この研究がさらに進み、一人でも多くの被害者が適切な治療を受けられるようにと願うばかりです。 


2)高所得国での研究、PTSDのメカニズム

コンゴの研究論文には、すでに高所得国ではこうした治療の有効性は示されているとありましたが、どのような取り組みが行われているのか、もう少し具体的にみてみましょう。





カナダで行われた研究で、性暴力後のトラウマの病理学を生物学的、心理学的そして社会学的な範囲で理解することが、被害者の有効な治療の発展に寄与するのではないかという報告書です。
特に目新しい治療法が紹介されているわけではありませんが、性暴力とPTSDの関係がまとまっているので、内容をざくっとご紹介したいと思います。

★PTSDとは
PTSDとは、心が痛手を負うような出来事に遭遇した結果、その出来事を追体験してしまうという激しい心理的苦痛に晒されることを言います。
アメリカの2005年の調査では、北米のPTSDの生涯有病率は7.8%、性暴力の被害女性のPTSD生涯有病率は50%であり、被害女性の94%は、被害後2週間でPTSDを経験します。

★PTSDの生物学的メカニズム
PTSDを生物学的に紐解くと、神経系、内分泌系及び免疫系といった全身の主要システムの調節不全がPTSD患者に認められます。
これは、ネガティブフィードバックの阻害を介してこの3系統の調節をHPA軸が担っているためです。
HPA軸は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌に関与しています。
このコルチゾールは副腎皮質刺激ホルモン(CRH)により放出されるのですが、性暴力のような強い心理トラウマを抱えると、人間の身体はストレスに対応するため、CRHレベルを上昇させてしまい、その結果、HPA軸が調節できなくなり、先の3系統の調節不全に結びつくわけです。

CRH受容体が減少し、HPA軸が過剰反応し、コルチゾールによりネガティブフィードバックの調節不全を引き起こします。その結果、他の神経系にも影響を及ぼし、不適切な恐怖反応や持続する中程度のうつ状態など、PTSDに特徴的な症状が発現するようになるのです。

★心身症状と治療の現状
このようなメカニズムで生じる心身症状を3つのフェーズに分けてレイプ外傷症候群(RTS、レイプだけでなく広く性暴力を含む)と呼んでいます。
まず被害後にすぐに生じる反応を急性期。泣く、叫ぶといった幅広い感情表現が出現します。
これに続き表面的適応期では、性暴力そのものよりも、自己を否定するような感情が生まれます。
最後に、長期再編成期を迎え、ここで適切なサポートを得られないと恥や罪悪感などマイナス感情をより強く、より悪いようにとらえるようになります。

このような心身状態の中で、認知療法、グループセラピー、精神力動的精神療法など、様々な心理療法を用いた治療が行われていること、また、性暴力を個人の問題とはとらえず、家族や友人といった周囲の人間の問題ととらえるべきだとしています。
さらに性暴力からの回復は、社会の問題としてとらえる必要性をこの論文では訴えています。


3)日本の動き
日本でも平成24年度の犯罪白書によれば年間1800件(被害発生率1.8%)の性暴力が発生しているそうです。

しかし、コンゴで行われた対照研究のような性暴力被害者の治療に関する研究はあまり行われていないのか、文献らしき文献は見当たらず。探し方が悪いということもあると思いますが、盛んではない、という結論でよいかと思います。

医学的、EBMとしての研究は見当たらなかったですが、被害者を救済する組織はいくつかありました。



日本で独自の治療法研究はあまりされていないようですが、海外での動きをキャッチしているページもありましたのでリンクだけご紹介。
 
日本での研究事例がご紹介できずに残念ではありますが、コンゴの例を見る限り、たとえ短期間の介入であっても認知処理療法の効果が確認できたのは今後日本においても活用できる研究結果なのではないかと思います。

2013年6月4日

薬事法等制度改正の法案が国会に提出されました

いきなり固いタイトルですが、
医薬翻訳にも大きなインパクトがある法改正かなと思うので、まとめを。

最近、医療機器に関連する文書のお仕事を多くいただいているのですが、
クライアントさんからご紹介いただいて、
医療機器レギュラトリーサイエンス研究会主催の研究会に参加しました。
 
レギュラトリーサイエンスとは、
医療機器を「実用化と普及のために必要となる、有効性と安全性と品質を評価するための科学的手法」と定義されています(『医療機器レギュラトリーサイエンスガイドブック』より)
狭義の意味では、医療機器の承認/認証を科学的に評価するための考え方と言えるでしょうか。

こちらの研究会に参加されているのは企業の薬事部やCROの方などが多いような印象で、
広い会議室にかなりたくさん集まっていました。
会場はグレー・紺のスーツの方ばかり・・・。
そんな中、サーモンピンクのシャツに白いスカートで行った私は浮きまくりでした・・・
服装に気をつけよう・・・

さて、研究会ですが、3名の発表者が立ち、
レギュラトリーサイエンスの立場から医療機器の現状をまとめた発表、
関節軟骨再生医療のガイドラインについての発表、
そして承認申請を前提にした医療機器開発をエンジニア、医師、企業、規正当局の立場でまとめた発表がありました。

今回のこの研究会が開催された背景には薬事法制度の改正があり、
医薬系翻訳者にも大きな影響を及ぼすだろうと思いますので
既出の情報を整理してみましょう。

実は、今まで提出された法案って見たことがなかったので
興味半分にググってみたら、ちゃんと全文が公開されているんですね。(それぞれテキストリンク先です)

ですが、これだと何がなんだかわからないので、
厚労省が概要や変更点をまとめた表を作成・発表しています。

こちらのリンク先の下の方にあります。
薬事法等の一部を改正する法律案(平成25年5月24日提出) 
再生医療等の安全性の確保等に関する法律案(平成25年5月24日提出) 

今回のこの2つの法案の肝は以下の4点かと。
1)添付文書届出義務、市販調査の充実など安全対策の強化
2)医療機器を医薬品のおまけではなく、その特性を踏まえた制度の創設
3)再生医療等に関する整備→実用化の促進
4)薬事法の名前が変わる!→「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

詳細は、以下の資料が参考になると思います。



翻訳者として、業務に関係してきそうなのは、
1)と3)が大きいかなぁと思います。

1)による影響(勝手な予測)
海外製造元の安全性に関する調査や報告書の翻訳業務
添付文書改訂に伴う英訳?(あまり熱心に進められていないですが)
日本で行った市販後調査報告書の英訳
が増える?

3)による影響(同上)
再生医療に関する規制が整備されることで、市場に製品が入りやすくなるため、
申請関連、販売ツール関連、それこそ添付文書の翻訳などが増加する?
海外の事例(論文や報告書)についての翻訳
が増える?

医療機器に携わるものとしては、
2)も大きなインパクトがありそうです。
今まで医療機器とみなされていなかったソフトウエアも対象となることから
マニュアルの翻訳も増えていきそうですね。

私個人としては、
2)の制度創設はきっちり抑えなければいけないことの他に
再生医療に関する知識がまるっきり薄いので、
仕事が来るかどうかはわかりませんが、
事前に情報収集と勉強を進めておこうかなと思います。
これからのトレンドになることは間違いないと思いますし。

薬事法の改正については、
講習会等、これから盛んになっていくのではないかと思いますので
また機会があれば、グレーのおじさんたちに混じって勉強してきたいなと思います。

2013年5月26日

「通訳翻訳ジャーナル2013年7月号」にブログが紹介されました!

今回は番外編的に嬉しいお知らせ!
なんと、「通訳翻訳ジャーナル2013年7月号」(通称、通翻ジャーナル)に
このブログをご紹介いただきました!

今号の通翻ジャーナルは、「SNSを仕事に生かす」という特集が組まれており、
日頃お世話になっている先輩方がたくさん出ているという情報を得ていたので、
「よし、今号は買おう!」とポチリ。(毎号買ってません・・・)

ふむふむと読んでいたら、自分のブログの紹介記事を発見し、えっ!と驚いてしまいました。

それも「同業者のおすすブログ・SNSグループ」という枠で!
興奮して思わず記念写真もパチリ。
 
blog













何よりも嬉しいのが、
多くの経験を積まれた先輩方が推薦してくださったということ。
読んでいただいているというだけでも嬉しいのに、
推薦をいただけるなんて、本当に光栄です。

また、一緒に紹介されている他のブログは私も愛読し、
勉強になるなぁ~と思っている先輩方のもの。
ここに自分のブログが入ると、ものすごく浮いている感じが否めませんが、
先輩ブログをお手本に、内容の濃い、みなさんに有益な情報を発信していけたらと思います。

以下に先輩方のブログのリンクと僭越ながらコメントを記載します。
ぜひ訪問してみてくださいね。

(産業・出版翻訳者 井口耕二さん)
翻訳の考え方から営業、レートについてまで幅広く、かつ内容の濃い記事が集まっています。
これから翻訳をはじめようという方にも役立つ情報が多数。

(翻訳コーディネーター 斉藤貴昭さん)
今号にもSNSの活用について寄稿しているTerryさん。
コーディネーターさんの立場で発信される情報は、考えるきかっけを与えてくださるものが多く、
とても勉強になります。

(産業翻訳者 高橋聡さん)
多くの翻訳学校でも教鞭を執っている帽子屋さん。タイムリーな情報を発信する”Side-A”と
Tradosに関する情報をまとめた”Side-Trados”があります。実務に速攻で効く情報の宝庫。
密かに目標にしているブログです(畏れ多い・・・)

(産業翻訳者 あきーらさん)
会社勤務を経てフリーランスになられたあきーらさん。独立するまでの記事を拝読し、勉強になりました。
記事にお人柄がすごく表れていて、更新が楽しみなブログです。

(産業翻訳者 青山万里子さん)
好奇心旺盛な猫先生の独自視点で、お仕事のこと、周辺業務のことなどが発信されています。
お人柄でしょうか、「よし、私もやってみよう」とやる気が出てくる記事が多く、いつもお世話になっています。

(通訳・翻訳者 高島まきさん)
・・・申し訳なし。未読でした。今回初めて拝見したのですが、英語口トレーニング、私も受講したくなりました。
子どもの英語学習に関する考え方など共感も多く、これから継続して読んでいこうと思います。

(産業翻訳者 山本ゆうじさん)
執筆、講演活動もさかんな山本氏。Trados関連の情報などがサイトに多数掲載されています。

(産業翻訳者 むーしぇさん)
タイトルから、おぉっとなりますが、毒舌なようで翻訳愛に溢れるブログ。
私生活について書かれている記事と、お仕事周辺の記事とのバランスが絶妙で更新がいつも楽しみです。

(産業翻訳者 Kunishiroさん)
実務に直結する翻訳トピックスから、生活感溢れる雑談コーナーまで幅広い情報を発信。
密かに「翻訳実績」のページを拝見し、真似してCVを作成しています。

これからも読者のみなさん、
それから推薦くださった方に恥ずかしくないような記事を書いていかないといけないな、
と気持ちが引き締まりました。

これからもどうぞよろしくお願いします!

2013年5月22日

American Medical Writers Associationの認証プログラムに挑戦します!

この2月に「メディカルライティング事情(団体編)」という記事を書き、
翻訳学校の「メディカルライティング入門」を受講してきました。

その後、4月の新年度から
「メディカルライティング事情」でご紹介した日本メディカルライター協会JMCA)に入りまして、
4月にセミナーを1つ受講してきました。

そして5月に入って、
連休中に同じ翻訳学校をご卒業の先輩翻訳者さんとお会いしたのですが、
先輩のお一人は、American Medial Writers AssociationAMWA)の
自習プログラム(1.Essential Skills、後述)の受講歴がある、ということで、
お願いしてテキストを見せていただきました。

医薬、特に治験分野や論文の投稿規定などでは、
とにかくシンプルでわかりやすく、誤解を招かないライティングが求められている現状。
これを反映するように、テキストもすっきりした英語を書くためのノウハウが並んでいる印象でした。

ボリュームも難易度もそんなに高くない、英訳をする際にも役立ちそうなプログラム。
どうせやるなら単位認証してもらうことを目標に取り組んでみようと思います。

★認証プログラムについて★
1997年に発足。メディカルライティングを取り巻く環境の変化に合わせ、
最新のニーズに応じてワークショップを改善、創設してきたそうです。

認証プログラムは以下の5つに分かれています。
1.Essential Skills(ライティングの基礎学習)は、7つのワークショップ+倫理に関するワークショップが
全てオンラインで受講でき、試験に合格すれば認証されます。
その他に以下4つの専門があり、
専門認証プログラムも7つのワークショップ+それぞれの専門に関連した倫理のワークショップを
受講し、試験に合格すれば認証されます。
2. Business(フリーランサーとしての知識、管理能力など)
3. Composition & Publication(編集や論文発表に関する技術)
4. Concepts in Science & Medicine(科学と薬学の基礎概念)
5. Regulatory & Research(薬事と新薬開発)

★カンファレンス★
オンライン以外には、年に1回、3日間にわたりカンファレンスが開催され、
100以上のワークショップが開催されます。
その中の認証ワークショップに参加し、事前課題の提出、3時間のワークショップ出席で
単位を認定してもらえるそうです。

今年のカンファレンスは、前にもお伝えしましたが、
116日~9日。オハイオ州コロンバスで開催されます。

コスト:
3日間のカンファレンスの参加費 $450
認証ワークショップの参加費 $110
その他、朝食会($25)やネットワーキングのためのランチ会(無料)、
非認証のワークショップ($55)などがあります。

※価格は会員価格かつ早期割引のもの。早期割引きは7/108/28までの期間。

これに宿泊費がだいたい$150/泊×5日ぐらい。
それに飛行機代。直行でなければ早期割引きで8万ぐらい?
ざっと計算したところ、総額35万円ぐらいでしょうか・・・。

国内で翻訳学校に半年通学して15万円ぐらい?かと思うと
そんなに高い!というわけでもありませんね。(いや、高いですよ、高いですけど)

★自習プログラム★
1.Essential Skillsはワークショップ全て、オンラインで完結できるんですね。
1ワークショップあたり費用は約$160。これに送料と手数料が追加。
送料払うのがばからしいんですが、オンラインというよりも、
正確にはテキスト+CDを使って自宅学習する、というイメージなので
いたしかないですね・・・。
一度に7つのワークショップを申し込むのはいささか勇気がいるので、
3つか4つぐらい選び、注文してみたいと思います。

★まとめ★
1.Essential Skillsはオンラインで完結できるので、
とりあえずAMWAに入会→1.Essential Skillsを完了し、
その後カンファレンスで専門を深める・・・という流れが王道かなって思います。

カンファレンスの早期割引期間までに
・自分のスキルが専門化された認証ワークショップのレベルまで上げられるか
・金銭的な問題をクリアできるか
・家族の理解を得られるか
3点をよく考えて、申し込みを検討したいなと思います。

2013年5月16日

無料で全文が読める医学論文(英語)

ご、ご無沙汰しています。
医薬ノートを更新する、と宣言したまま、
「するする詐欺」になっております。申し訳ない。

医薬ノートの更新はできていないのですが、
地味に読むことは続けております・・・。

でも、先日、
「今、一番足りなくて、一番やらなくてはいけないのが論文の多読だよ!」
というありがたいアドバイスをいただきました。
そう、今私に必要なのは、これまで以上のペースで大量に読むこと・・・。

しかも、高品質で、統一規定やCONSORTを遵守している論文を読めば、
おやおや?な論文も見抜ける力がつくし(論理力)、
自分でも洗練された英文が書けるようになるよ・・と。
さらに高品質な論文の多読は、
「美味しいお酒をたくさん飲んでると、美味しくないお酒飲むとすぐわかるのと同じ」だと。
・・・めちゃめちゃ腑に落ちました。
美味しいものを食べたことがなければ、味わうことも作ることもできない・・・と同じですよね。 

前置きが長くなりましたが、
こんなわけで筋トレのようにコツコツとなるべく多くの論文を読む訓練をしよう!と
決心したわけです。

現在、New England Journal of Medicineを定期購読しているのですが、
これ以外にも、高品質な論文を無料で全文読めるサイトを教えていただいたので
こちらでもご紹介しようかと。

★Annals of Internal Medicine

・米国内科学会の学術論文誌
・全文無料;発行より6ヶ月後
・インパクトファクター:16.733 (2011年)

★Journal of Clinical Oncology

・米国腫瘍臨床学会の学術論文誌
・全文無料:発行より12ヶ月後
・インパクトファクター:18.372(2011年)

日本の学術雑誌はなかなか無料で全文読めないですが、
英語論文は「無料で読める論文まとめサイト」なんかもあって
すごい便利。

取り組み方法はしばらく試行錯誤かな、と思っているのですが、
隙間時間の活用も含め、
論文をPDFでダウンロードし、send to KindleでConvertさせて
Kindleでざっと読み、その後、プリントアウトしたもので精読かなーと。

インプット重視なので、
医薬ノートのようなスタイルはなかなか取れないと思うのですが、
何らかの形でアウトプットもしたいなと思ってます。
ざっくり要約を書くなど、検討中です。