エージェントさんの指定で、
こちらの本のI~IIIを参照して仕事をしてください、という依頼があり、
すでにIIIは所有していたので、IとIIを購入しました。

  

1冊5500円×3冊で・・・と考えると、
ひょえーな書籍なのですが、
十分価値がある!と思いましたので、こちらで感想をまとめておこうと思いました。

著者の内山雪枝氏の略歴はこちらに。
モントレーで翻訳を学び、フリーランス医薬翻訳者として活躍後に
メディカルライターとして日米両国のメディカルライター協会に所属し、
(有)クリノスの代表取締役として
講演や教育事業にも携わっていらっしゃいます。

また全4冊シリーズのそれぞれの内容・目次はこちらで確認できます。

★ I 改訂編
第1巻にふさわしく、
推奨する辞書や参考書、スタイル、AMA Manual of styleの紹介に多くのページが割かれており、
まさにこれから英文で医薬文書を書こうとしている人にむけての内容になっています。

逆にある程度英文を書く(英訳する)ことが日常的であり、
医薬の分野に特化した情報だけを必要としている人には
少し物足りないかもしれません。

このシリーズを通しての特徴でもありますが、
「日本人が間違いやすい例」「日本語から発想すると陥りやすいミス」などを
中心に、豊富な事例が挙げられているため、
「あー、それやっちゃうよね」という復習にもなりそうです。

I巻は、分厚いAMAを限界までコンパクトにまとめ、
かつ日本人が間違いやすい点にハイライトをあてている1冊とまとめることができるかと。

AMAを丁寧に読むよりもずっと効率的にどこに何が書いてあるのか、
どういうときにAMAを参照すべきかといったことが把握でき、
これから実際の仕事で困った時にAMAのどこを見ればいいのか
頭の中にAMAの概要が入ったのが大きいかなと思います。

★ II 
こちらはさらに実践に近づいた内容で、
医薬独特の英語について学びたい方にぴったりという感じでした。

大きく2部に別れており、
第一部では医薬領域で注意すべき英文法、
特に態の問題と、冠詞、前置詞について書かれています。

第二部では医療領域で迷いやすい動詞の使い分けで、
示す、検討する、中止・中断する、上昇・増加する、低下・減少する、阻害・抑制するなど
医薬領域で頻出するけど、使い分けがあいまいになっている動詞について書かれていてます。

私は現在、英訳の学校に(一応)通っているのですが、
この巻を読んでから授業に出ればよかった!と思うほど
英文を書くときいつも迷ってしまう基礎的な部分が網羅されています!

基礎的な部分をしっかりおさえてから学校に行けば、
クラスで先生にしょうもない質問をして時間を使わず、
もっと高度な、参考書に書いていないようなことを質問できたのに・・・!と
思ってしまいましたよ・・・。

和訳であっても、訳し分けに迷うような単語ってありますよね?
目次をご覧いただければ分かると思うのですが、
迷いそうな事項(文法、単語)はほとんど網羅している!という充実ぶりです。

また
例文+考え方を合わせて解説しているため、
ただの例文集にはない説得力もありますし、
応用も利きそうな感じがします。

たとえば
「治験期間は2010年4月から2012年5月まで」といったとき、
from ~ to  ではなく、
between ~ and ~
を用いる、といったことを用例と理由を簡潔ながらも非常に明快に示しています。

・・・とここまで書いて、
もしかしたら、このあたりは英語をきっちりマスターされてる方には
当たり前のことかも・・・と思ってきましたが、
私のような軟弱モノには、「おぉー、そういうこと?」って思うような解説ばかりでしたよ。
(経験的にbetweenを選んでたけど、なんでかは分かってなかったのです)

以上
すごくざっくりですが、通読しての感想でした。
これから英訳をやりたい人、
何からやったらいいかわかんないーという人に
オススメの1冊かなと思います。

追記:II巻の最後の方に、「あとは英文を書きまくるしかない」と書かれていて
すごい勇気出ました。ビビってないで、がんがん書いてみようって。